第十一回「夏に雪が降る国で」完結編

「夏に雪が降る国で」完結編

 



油亀のweb通販「油亀ジャーナル」より北海道の陶芸家、馬渡新平さんの白ヒビ粉引角皿 


ようやく、雪華をみつけたのに。
宝冠が作れない。
少年の身体は、ボロボロでした。

「あともう少しなのに、どうしても身体が動かないんだ」

油亀のweb通販「油亀ジャーナル」より愛知県の陶芸家、増田光さんのテント型ふたもの 

お姫様は自分が少年の代わりになれたら、どんなにいいだろうと。
自分を助けてくれた少年のために、涙を流しました。
そんな彼女を見て、少年もまた、涙を流しました。

二人が涙を流したまさにその時。
覚えのある羽音が、聞こえて来ました。

油亀のweb通販「油亀ジャーナル」より山口県の陶芸家、ヒヅミ峠舎さんの染付花文7寸プレート 

そう。
お姫様が高い高い塔に閉じ込められていた時の、お友達。

小鳥たちです。

小鳥たちはくちばしに、ちいさな瓶をくわえていました。
それは、お姫様が小鳥たちにあげていた、夜の雫でした。

小鳥たちは少年に、「夜の雫を飲みなさい」と差し出します。
すると不思議なことに、少年はたちまち元気になったのです。

こうして長い長い年月をかけて、「雪華の宝冠」は完成したのです。

油亀のweb通販「油亀ジャーナル」より新潟県の陶芸家、矢尾板克則さんのレースダイヤモンド 

さてさて。
完結編と銘打ってはおりますが。

読者の知らぬところで、物語は続いていくのです。

夜の女神様に捧げるために、お姫様と少年は旅立ちます。
お姫様が純白の宝国に来た時は天馬でひとっとび。
でも、今度は大切な宝冠を携えて、歩き続けるのです。
お揃いの時計を身につけて。

テゥクタクティクタク、ティティティン。
二人の懐中時計の音が重なります。
果たして、針が何回まわったら。
たどり着くのでしょうか。

お姫様がいた国。
夜の女神様がいる漆黒の国へ。



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