第六回 「寺村光輔 タイトルのことー温故知新編ー」
「寺村光輔 タイトルのことー温故知新編ー」
![油亀のweb通販「油亀ジャーナル」より栃木県の陶芸家、寺村光輔さんの大鉢](https://aburakame.ocnk.net/data/aburakame/image/jouanal/journal6.jpg)
なぜ、四文字熟語なのかと尋ねられたことがあるので、今日はその話をしようと思う。
陶芸家、寺村光輔の個展のタイトルのことだ。
一度目は「温故知新」で、二度目は「陰翳礼讃」だった。
不思議なもので、タイトルを考えたのは自分なのに、いざ答えるとなるとなかなか難しい。
初めて彼に出会った頃の私は、「伝統」の意味について模索していた。
簡単に答えがでるものでもないし、これが正解という、明確な答えがあるわけでもない。
けれど、美術作品や陶芸をあつかう職を生業にしているからには、避けて通れない問題だ。
私の技量が稚拙なばかりに、作品の価値を貶めるようなことがあってはならない。
作り手の思いに寄り添うことができてないばかりに、作り手の可能性をつぶしてはならない。
そんな不安に苛まれ、自問自答を繰り返していた頃だった。
彼が油亀にやってきたのは。
印象的だった。
他の作り手の作品をみる、彼の眼差しは。
ちょうど、その時は「そば猪口のススメ」という展覧会だった。
手に取るそば猪口一つ一つを、真剣に見つめている。
食い入る様に見つめている。
その光景を少し離れたところで、偶然目にした時、私は愕然とした。
自分は今、目の前にあるそば猪口と、彼のように真剣に向き合っていたのだろうかと。
その時だ。
「温故知新」という四文字熟語が脳裏をよぎったのは。
ふるきを温めて、新しきを知る人が目の前にいる。
この人は、ただの益子焼をつくっているのではない。
「伝統」と向き合いながらも、様々な作り手の作品とも向き合い、
信念を持って自分だけの「型」を生み出している。
この人の作るうつわが、いつか「伝統」と呼ばれる日がやってくるに違いない。
時は流れて2015年11月21日。
一度目の個展の初日がやってきた。
寺村光輔のうつわ展、タイトルはもちろん「温故知新」だった。
さて、この話にはまだまだ続きがある。
私は、彼の作品への向き合い方を見て、考えた。
一体、自分には何が足りていないのかと。
それがわからないなら、この職業を辞したほうがよいのではないかと。
この頃のことも、いつかコラムでお話したい。
それはおそらく、二度目の個展「陰翳礼讃」に、
更には三度目の個展のタイトルつながる物語でもあるのだから。
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